家族に無断で私物を捨てられた!これって違法?
「夫の自動車用品がたまって」「妻のキャラクターコレクションだらけで」…日本の多くの家はそれほど広くないのに、ものがたくさんありますね。
離婚協議中の夫婦等家族が勝手に私物を捨ててしまったことによってトラブルになることがあります。
勝手に捨てたらダメ!
配偶者のものを捨てるとダメです。
家族であっても、所有権は個々人に帰属しますので、配偶者の私物を捨てた場合は、一応は、刑法261条の「器物損壊罪」にあたります。
(器物損壊等)
他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
「損壊」と聞くと「壊す」というイメージがあるかと思いますが、「壊す」だけでなく「物の効用を害する一切の行為」を指します。
つまり家族のものを捨てると「器物損壊罪」になる可能性は一応あります。
民事責任で損害賠償を請求できます
少し刑事手続きの話からそれますが、器物を損壊したという事実は、民事でも責任を負いますので、被害者は、損害賠償を請求することができます。しかしそれには
- 何がいつ捨てられたのか
- それはどの程度の価値があるものか(損害額)
を証明する必要があります。つまり「それが存在した」というところから始まります。
証拠がなければ「存在しなかった」も同然になってしまう可能性もあります。
現実的に罪に問われるのか?
もっともこれは捨てられた方が告訴しなければ罪は問われませんし、余程のことがない限り「ものを捨てられた」からと言って警察に相談する人はいないでしょう。
しかし家族のものであってもその所有権は個人に所属するということを忘れてはいけません(特にトラブルを抱えている個人間ではなおさらです)。
このような些細なトラブルでも、うまくいっていない家族間の場合は、なかなか解決することが難し場合もあります。
仮に「子どものゴミだ!」と思っても、勝手に処分することをせずに、きちんと同意をとるようにしましょうね(これは法律論とは関係がないかもしれませんが)。妻、夫のものだって、相手にしてみれば宝物かもしれませんから。
「実家のもの」も気を付けましょう
実家に残した子どものもの、邪魔だから…と気軽に捨ててしまう前にちょっと待ってください。
実際に犯罪として問われることはほとんどないとしても、法律を知っていることで不要なご家族の争いを避けられるかもしれません。
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