示談交渉
被害者のいる犯罪では、刑の重さはもちろん、起訴に至るまでの捜査機関の処分の決定についても、被害者の被害が回復されたか、被害者から許しが得らたるかという点が、非常に重要な判断要素になります。また、示談交渉は、告訴の取下げや不起訴処分等にも影響を及ぼすため、できるだけ早い段階から行うことが必要となります。
しかし、被疑者・被告人本人やその家族が示談交渉にのぞもうとしても、被害感情から、被害者は、なかなかこれに応じないのが通常です。また、性犯罪等の場合には、捜査機関が被害者の情報を教えない場合が多く、そもそも、示談交渉に着手することすら困難です。
この点、弁護人は、被害者と冷静に対面し、被疑者・被告人の反省の念を真摯に伝えることによって被害の回復や被害感情の緩和に努めることができます。